安全運転が必要なのはトラックだけじゃない!
と・・・
ある記事を目にして改めてそう思う事がありました。
2022年のフォークリフト起因の労働災害の件数についての記事だったのですが、1~6月の統計が昨対比で増加してるという内容でした。
2021年が同じ期間で806件で今年が846件なので40件増加、パーセンテージだとおよそ5%増加しています。
この件数を多いと感じるかどうかは個人差があると思いますが、これは休業4日以上の死傷事故をカウントした数字です。つもり、もっと軽微な事故まで数値化したら相当な数になる事がわかります。フォークリフトの事故数という事なので敷地内で発生していると考えると私は多いと感じます。ここから考えると事故一歩手前のヒヤリハット事例は相当な数になりそうです。
物流業で件数が増えてる?
業種別にみると運輸交通業・貨物取扱業が各々20件以上増えていて、それ以外の職種では±2前後で誤差程度、大きく減らしている所すらあります。つまり、40件は輸送に関わる業種で増えている事になります。
倉庫での荷物の出し入れや、トラックに荷物の積み卸す作業がありますので、件数自体が他の業種より多くなるのは自然と言えます。
数字から何を考えるか?
実はこの数字だけで、増加=悪化とは考えていません。
単純に件数だけでのデータなので他の条件が昨年と同じとは限らないからです。
例えば、
フォークリフトを使用する現場の数が増加していたらどうでしょう?
フォークリフトを使用する時間が増えていたらどうでしょう?
フォークリフトを使用する人の数が増えていたらどうでしょう?
こうした他の要素を考えた場合に、輸送関連の業種では発生件数は増えたものの、発生率は実は下がっているという事もあるかもしれません。
というように、単なる件数のデータでは実際に悪化しているか否かの判断は出来ないわけですが、件数が増えるのは良くないです。人に関する事であり、物を製造する不良率とは違うと考えます。
事故を減らす努力を・・・
少し前に、
プロドライバー育成!フォークリフト社内技能講習☆
という記事で山田運送社内のフォークリフト技能講習を紹介したのですが、こうした講習で運転技術向上を図るのも一つの手段です。
ベテランこそ慢心からミスをしやすいという考えもあるのですが、車の運転と同じで経験を積んだ方の方が事故は少ないと思います。
他にも人が歩く通路とフォークリフトの通路を分けるような物理的な対策などもあります。事故の原因が常に運転する側にあるとは限りません。リフトマン以外の人達にも目を向けて事故が起きない現場を作っていきたいですね。
事故0を目指す理由は単純です。誰かが怪我をすれば色んな人が悲しい思いをするからです。誰も怪我をしない楽しい職場がいいですよね?
参考データ
1-6月フォーク死傷事故40件増、運輸交通最多|短報
(※物流ニュースサイト「Logistics Today」)
2022 年(1~6 月)フォークリフトに起因する労働災害の発生状況(速報値)
(※日本産業車両協会の資料より)