愛媛の小学校で長距離トラックドライバーのお子さんが入学式への参加を認めらなかったというニュースをみました。
ネットでは職業差別とか子供がかわいそうといった意見が大半に感じますが、運送会社で働く者として、運送業は今一番コロナ感染対策を実施している職業であると共に、感染リスクは低い職業の一つだという考えを書いてみようと思います。
ニュースを見て何を思ったか
ニュースの一部分だけをみて批判をしたいわけではありません。
これは、非常に考えさせられるなと正直思いました。
新型コロナの影響は大きく、非常事態宣言が出た今、正解を選ぶ事が非常に難しい状況だと思います。全ての活動を停止してしまう事が正解なのかもしれませんが、簡単な事ではありません。生活があります。医療・物流のように止められない業種もあります。
この小学校の一件は職業差別により起きたことではなく、感染拡大地域を訪れたという情報から入学式を行う事を前提に最も安全と思われる判断をした結果だと思います。たまたま親の職業がトラックドライバーだったという事でしょう。
とはいえ、いささか平等性を欠いてしまったという点においては残念な気持ちは感じます。しかし、あまり責める気にはなりません。
では、本題に入りたいと思います。
物流業界の新型コロナ対応はシッカリしている
長距離輸送を行うドライバーは東京や大阪などの感染拡大地域は元より全国の様々な地域へ荷物を届けるために毎日移動します。テレワークの方と比べれば感染確率は高いでしょう。しかし、在宅勤務を除けば感染対策さえきちんとすれば感染率は低い業種だと思います。今の所、当社ではコロナ感染者はその家族も含めて一人もいません。
今、物流が止まってしまえばライフラインも医療環境も崩壊してしまいます。
『物流を止めない』という使命感と『ウィルスを拡散しない』という危機感を持って物流業界は動いています。
当社では乗務員はもちろん内勤者もマスクを身に着け、施設の除菌に力を入れています。
荷主様からも施設でのマスク着用義務付けを始め、各社の対応方針についてご連絡を頂いています。
今、我々は物流業界全体でコロナと戦いながら社会インフラを支えるために業務を行っています。
長距離トラック運転手の新型コロナ感染リスクは低い
様々な職業を見た場合に荷物の輸送に携わるドライバー、とりわけ長距離ドライバーはコロナ感染のリスクが非常に低い職種の一つだと考えています。
理由は簡単で、「密接」「密集」「密閉」のいわゆる3密と呼ばれる環境での労働ではないからです。
- 運転中は一人
- お客様との濃厚接触の機会は少なく、極少数の方とのやりとり
- 荷積み荷下ろしは屋外での労働といっていい状況
以上のように、3密と呼ばれる環境ではありません。
さらに長距離を走る場合は、高速道路が空いている夜勤・深夜勤の時間帯がメインとなる事が多く、通勤も電車が動いていない時間という事で、車やバイクといった方が多くなります。人の少ない時間に活動し、1人で行動するため感染リスクは低くなります。
オフィスワークや工場勤務、電車通勤の方と比べて感染リスクはかなり低いと思います。むしろ長距離ドライバーの行動が規制されるなら、ほぼ全ての職種で活動を休止したほうがいいとさえ思います。
この記事を見られた方から少しでも長距離ドライバーがコロナを運んでいるといいった先入観が消えてくれたらうれしく思います。