創業時の精神を継承しながら引き継いだバトン

山田運送株式会社は先々代の山田健が設立し、私は先代の山田浩幸社長の時代から、長く弊社に関わってきました。この度、先代から私が経営のバトンを引き継ぎ、代表を務めさせていただくことになりました。

当社は1971年創業、1986年4月に法人改組してから四十余年の歴史を持つ運送会社です。郵便事業を中心に中型・大型トラックによる長距離運送業を手掛け、小口の宅配近距離案件をグループ各社と連携し、ワンストップで行ってきました。
近畿2府4県を中心に全国へ事業を展開し、近い将来グループ全体で売り上げ100億円を達成する見込みです。

山田運送が今あるのも、お世話になってきた多くの方のご助力のたまものです。
当社の創業時から続いている「感謝の心」と「恩返しの精神」。先代から引き継いだこの精神は、ずっと変わらずに山田運送の社員皆で受け継いでいきます。

創業から四十余年、今まで築いてきた歴史を踏まえつつ、これからは新しいことをやっていかなければばなりません。
社長交代からまだ間もないですが、二十数年この会社に関わり、積み上げてきた経験を生かしながら、さらなる発展のための様々な施策に取り組み始めています。

ドライバーとの距離を縮める

現在、私が代表を兼任しているグループ会社のヤマヒロ運輸は、「とにかく楽しいことが好き」という私のキャラクターを反映した、オープンで明るい雰囲気の会社です。管理職とドライバーの仲も良く、辞める人も少ない。
その雰囲気を、山田運送にも取り入れたいと考えました。

まずは変化の第一歩として、社内のレイアウトを変更し、社長室はあるものの、普段の私の席は皆と同じ場所に並べました。業務はタブレット端末を使いながら、担当者のデスクやオープンスペースで行っています。

事務所入り口にあった囲いは取り払い、カウンターも低くして、業務部スタッフは入り口を向いて座るように向きも変えました。
これは、ドライバーが入ってきたら、すぐに気づいて声をかけられるように、ドライバー優先でスタッフとの距離を近くしたいという思いからです。

現場に決裁権を持たせることの効果

業務の効率化も、新しく取り組んだことの一つです。
ほとんどの決済は支店長や部長職が行う、ドライバーの採用は現場で判断するなど、できるだけ現場に任せることで、稟議書の作成といった業務を減らして、事務作業のペーパーレス化を進めました。
ある程度の裁量が現場にあるということは、コストだけでなく、管理される息苦しさも軽減し、オープンで風通しの良い空気を生むという効果ももたらしてくれています。

また、ネットワークシステムの見直しとグループウェアの導入で、情報を共有し、業務の効率化を図っています。

ドライバーファーストの体制づくり

「ドライバーあっての山田運送」という前社長の想い。それが今までは、残念なことに末端のドライバーに伝わっていませんでした。
そこをきちんと前面に出すことで、管理者とドライバーの間にあった距離を一気に縮めたいと思っています。

例えば、管理職の方から積極的に歩み寄って声をかける。「今日の体調はどうか」とか「今日はこういう運行になっているんだけれど」という説明をする、ドライバーが来たら管理職の方から出て行って声をかけるという風に変えました。

また、労働環境についても、長距離ドライバー業界では完全週休二日制というのはなかなか難しいのですが、極力そこに近づけて、なおかつ高い給与水準を維持する。その仕組み作りを管理職のミッションとしました。
ドライバーにプロフェッショナルな運行を求める以上、管理職に対しても同じ意識を求めるのは当然です。

ドライバーには、この会社のドライバーファーストの意思をきちんと伝えていきたいと思います。

安原社長

家族が働きたいと思ってくれる会社

山田運送グループ各社が目指しているのは、「社員の家族が働きたいと思ってくれる会社」です。
社員の家族、親御さんや、奥様、お子さんにも、会社のことをよく知ってもらっているような、アットホームな会社でありたいと思っています。
ブログやSNSで積極的に情報を発信する取り組みを進めていますが、これから当社に入社していただく方はもちろん、ご家族にも社内の雰囲気をお伝えするために必要なことだと考えています。

私もまだ代表に就いたばかりですし、全スタッフを覚えるのはなかなか難しいですが、社員の顔と名前、勤続年数、誕生日は覚えたいと思って、タブレットにデータを入れているんです。

山田運送には、誕生日のお祝い制度があるのですが、今後はもう少し拡大して、例えば奥様など、ご家族にも何かお祝いがしたいなあとも考えています。

グループで生まれるシナジー効果

山田運送にはグループの中核として、確実で安定した運営を行う、いわば「本丸」の役目があります。
中心としてしっかりやっていくことで、各々の城を持つグループ各社が潤っていく。
各社が個々の利益に走るのでなく、独自性を生かしつつ融合していくことで、シナジー効果が生まれていると感じています。

また、人事施策についても数字にこだわりすぎず、やりたいと手を挙げた人にはチャンスが与えられるような柔軟なものにしていきたい。社内独立支援のような、ドライバーから社長になる夢を持てる制度を整えていきたいと思います。

山田運送のこれから

山田運送は、グループのトップとして「山田で走りたい」「山田で働きたい」といわれるブランド力を発揮して、グループ全体を牽引していかなければなりません。
そのためにも、私が目指しているのは「長距離ドライバーの地位向上」です。運送業界にある負のイメージを払拭し、業界のカラーそのものを変えていきたい。
社内でも、自分たちの現在地を確認したうえで、良い点は当然採り入れ、今まで思っていたけれど言えなかったことをどんどん出していくことが必要だと思っています。

僕は三代目って、ちょっとカッコつけながら言うんですけど。三代目って響き、何か格好いいですよね(笑)。
これからは、創業社長と二代目社長から受け継ぎ、四十余年積み上げて来た実績を継承していきながら、その上で、山田運送のみんなで一丸となって前に進んでいきたいと思います。

これからの山田運送にどうぞご期待ください。

本社スタッフ集合写真